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大学発、知識の循環の一大展開を
〜学内に「中小企業支援センター」を設立し意欲的に展開 大槻眞一氏 阪南大学学長

 昨年度九月号の本誌で、「同友会の共同求人」を特集した際に大槻教授(当時)にお話をうかがい、同友会会員の経営者に学生の前で講義してもらう経営実践講座が一番人気の講座になったことを始め、インターンシップや起業家塾のことなど、産学連携にかかわる内容も触れていただきました。その後、大槻氏は本年四月より阪南大・学長に就任され、大学としての産学連携の取り組みも「一大飛躍」といえる進展を見せています。

大学内に「中小企業支援センター」を設置

 阪南大学の建学の精神は「商都大阪の伝統経済のうえに立ち、近代的経済人を育成することが使命」としています。産学連携の新しい展開として、阪南大学の中に「中小企業支援センター」を設置することが決まりました。学校の中に設置することは、日本では他にないことだそうです。

 阪南大学には二万五千人の卒業生があり、圧倒的に中小企業へと進んでいます。中には経営者になった人もいます。卒業生が現在いる企業で、公的資金や理工系の先生との連携、ベンチャーキャピタル、特許など、経営上の課題がある時、その卒業生に学内の中小企業支援センターに返ってきてもらうわけです。センターを窓口に、学内の人材をフル活用するだけでなく、必要に応じて学外の専門機関と連携を進めることにより、さらにネットワークを広げることが可能になります。

 このことは、企業側にとっては必要な経営課題を解決するにとどまらず、大学側にとっても各業界の最前線の情報が入ってくることになります。企業の戦略を教員が手に入れて、最前線のことを学生が学ぶことができます。これを「知識の循環」と呼び、卒業生を通じて学校・学生・企業を循環していくことをめざしています。


もう一つの産学連携

 従来「産学連携」と言うと、理工系を中心に共同して新製品を開発するイメージがあります。しかし、実際の問題には、完成した製品を売ることが課題になっているケースが少なくありません。そこでの新たな課題はマーケティングや売り方の問題です。産学連携の進んでいる米国では、融資も日本のような連帯保証・担保重視ではなく、経営者の資質や技術、ビジネスとしての構想力を見て資金を出すことが基本となっています。こういう仕事も社会科学系の出番です。

 大槻氏が、オーストラリアでインキュベータ施設を視察した時の話です。シドニー郊外の貨物駅跡の赤レンガの機関庫を改装し、三校の大学が入ってつくられた施設です。インキュベータの成功率は九割以上、その理由はプレインキュベーションとして三ヶ月間マーケティングを学び、ビジネスプランが描けなければ入居できないシステムを採っているからだと聞きました。残念ながら日本の現状は、そこまでトータルのサポートをするシステムはまだ不充分で、既存のインキュベーションも空きを埋める対策がやっとという状態です。

 社会科学系(マーケティングなど)を先行させ、理工系(開発など)に取り組むことが成功を生んでいるオーストラリアでの事例は、示唆に富んだものに思えます。阪南大の「中小企業支援センター」でも、プレインキュベーションを進めることで起業を促進できるのではないかと期待がかかっています。


「産学連携で関西に元気を」

 大槻氏は、学長になった今でも自然科学の授業と二つのゼミを持ち、中小企業ベンチャー総合支援センターのアドバイザーを務め、今年も「鳥人間コンテスト」にチャレンジするという、多彩な活躍をしています。

 これからの少子化時代に、大学も独自性を打ち出すことが必要になります。現在でも全国に六五〇ある大学の三分の一がいずれかの定員割れした学部を抱えています。阪南大学はそれほど大きな大学ではないので逆に転換がしやすく、中小企業支援センターの取り組みが成功すれば、真似るところも出てくることでしょう。大槻氏は、それは中小企業の応援につながることなので、いいことだと考えています。企業経営と同じで、自社(自大学)だけの成功をめざしても限界があり、大学と行政、中小企業が大きな動きとなって連携していくことが、関西を元気にさせていくと信念を持っています。

 また、阪南大では、社会人向けのバックアップとして、大阪市内にサテライトを開設する予定です。産学連携で新商品をつくり出すことなどまだまだ序の口で、これからの産学連携は新しい次元に進化していきそうです。

 http://www.hannan-u.ac.jp



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